軍事評論家の菊池謙治氏は、スパイにされる人物を次のように分類しています(『複合侵略』より)。
①思想的なもの
――個人の理念や思想によるもので最も信頼性や安定性が大きく、利用価値はきわめて高い。共産主義者に多い。
②金銭あるいは物質欲によるもの
――給料や自分の地位の昇進に不満を抱き、あるいは女性問題がからんで弱点を持つ不平分子はスパイから見れば絶好のカモだ。ハニートラップのように罠をかける場合も。
③思想と金銭、物欲の混合によるもの
――最も多いタイプ。
④脅迫によるもの
――上海総領事館の領事のようにハニートラップにかけられた後、脅迫によってスパイを強要された。
⑤脅迫以外の圧力によるもの
――家族・親族を北朝鮮に帰している在日朝鮮人に本国での家族らの写真を見せてスパイ活動に協力させるといったもの。